moyotanのブログ

70を前にして、ふと・・・感じていることを・・・

「放浪記」今だから読んでみる?!

先日、「100分de名著」というNHKの番組で

林芙美子の「放浪記」が取り上げられていました。

 

指南役の作家は柚木麻子(ゆずきあさこ)さんで、

「今、林芙美子の放浪記を読んでみる意義がある」と言っていました。

 

 

それは?

 

私は「放浪記」も「林芙美子」も

題名と作者は知ってはいましたが、

イマイチ興味が持てずに読んでいませんでした。

 

 

大昔、確か東京オリンピック(1回目の)の頃に、

うず潮」という題でNHKの朝ドラが放映されていました。

 

林芙美子の青春時代から作家として大成するドラマだったような・・・

 

主役は、林美智子さんという女優さんです。

 

どちらかというと地味な雰囲気の女優さんでしたが、

林芙美子と林美智子、名前も似てるので、紛らわしかったからか、印象に残りました。

 

ちょっと余談ですが、朝ドラが新人発掘の登竜門的になった最初だったような・・・

 

 

これも余談ですが、「うず潮」の次が、大ヒットした国民的ドラマの「おはなはん」だったんですよね。

 

樫山文枝さんや高橋幸治さんがここから羽ばたきました)でした。

 

 

「放浪記」に話を戻して

 

林芙美子の「放浪記」といえば、女優の森光子さんが

1961(昭和36)年から本当に長きにわたって舞台「放浪記」、デングリ返しが有名で、2000回以上、上演されましたね。

 

 

実は私は、この舞台、たぶん初演に観ているんです。

母、お母ちゃんと呼んでいました。

そのお母ちゃんに日比谷の方の劇場に連れて行かれて・・・

二階席の一番前で観た記憶があります。

 

小学生だったので「カフェの女給って何するの?」とか、

朱色と白の縞模様の着物に、白いエプロン姿の背の低い女優さん、

それが・・・はっきり言って、美しいというよりは

むしろ地味な感じの女優さんだったなーという

印象が今でも、残っていますが、物語は全く記憶にありません。

 

 

まあ、小学校低学年私が、

女性が女給をしながら逞しく生きる物語なんて理解できませんよね!

 

 

 

(またまたまた、余談ですがほぼ同時期だったので・・・覚えているのですが、

江利チエミさんの「マイフェアレディ」の公演もお母ちゃんに連れられて観ました。

 

こちらは初めてのミュージカルで、ウキウキのサクセスストーリだったので、よく覚えています。)

 

 

 

話を朝ドラの「うず潮」戻します・・・

 

小学生の私は、このドラマで「うず潮」「尾道」「作家」「林芙美子」などのキーワードを知りましたが、

「放浪記」を書いた作家とは結びついていませんでした。

 

 

小学生の曖昧な記憶の林芙美子については

この辺で・・・・

というか、もう何も出てきません。

 

最初に書いた

「今何故、林芙美子なのか?」ですが・・・

 

 

柚木麻子さんは、

第一に

「放浪記」がベストセラーになった1930年代と今が似ていると言っています。

 

戦争の足音が近づいてきたり、

言論統制が厳しくなったり、

自殺者が増加したり、

若者が夢を見れなくなっていたりという時代が似ているというのです。

 

第2に

女性の視点で描かれているため、

女性の体の使い方、

仕事の後どのくらい疲れていて、

どんな風に寝ているか・・・など、リアルに描かれている。

ということで

ジェンダーや女性解放に対する理解や関心が深まっている今の時代にとても合う

 

というのです。

 

 

そして、日記小説なので、始めから最後まで読破しなくてもよくて、

読みたい時に開いたページを読むという形でいい、

述べています。

 

それはブログやYou TubeTwitterInstagramを見たり読んだりするのに似ているので、今の人たちにも読みやすいということです。

 

 

感情の振れ幅が大きかったり、

失敗ばかりして恥をかいたり、

ひと所に留まれず自分を否定し続けるような女性だったり、

噓をついてでも仕事にありつこうとする底抜けのパワーや、

このくらい悪くならないと生き抜けないのだという説得力があるところが

『放浪記』の面白さと柚木は言っています。

 

 

じゃーとばかり、

 

私もちょっと林芙美子を・・・と思い

例の如く、オーディブルで「放浪記」を探したのですが、

短くしたものしかなかったのと、

朗読者の声や雰囲気が珍しく好みではなかったので・・・

 

短編の「清貧の書」と「晩菊」を事始めとして読みました。

 

確かに共感しやすいし、女性の内面にすんなり入っていける感覚を持ちました。

気軽に何かの本の「箸休め」的に読めそうで、身近に置いておきたくなりました。

 

今日も、

来年70歳になる私が、

聴いたことをきっかけに

ちょっと思い出したこと

読みたくなったことや

読んでみたことなどを

ぐだぐだと書きました。

 

ありがとうございました。