来年70歳なので、
否が応でも「老化」と向き合っている今日この頃ですが、
映画や日常の出来事から、
「あの頃」と今を絡めてアウトプットしようと始めたブログやポッドキャストです。
同じ内容なので、ブログでは文字版、ポッドキャストは耳版というわけです。
今週は2本の映画を観ました。
1本目は「蟻の王」
1960年代、アルドは、蟻の生態研究者であり、詩人・劇作家でした。
同性愛者のアルドに対しての町の人たちの目は厳しいものでした。
エットレという若者が、アルドに出会い、恋して・・・
家族の反対を押し切ってアルドとローマに移り住みました。
エットレの母と兄は、ローマにきて、エットレを連れ去ってしまいます。
そして、同性愛を正すための治療と称して、精神病院ではエットレに電気ショックの治療を行っていくのです。
1965年エットレの母と兄がアルドを訴え、アルドは逮捕されます。
ファシスト政権下で成立した教唆罪で、アルドは裁判を受けることになります。アルドがエットレを洗脳し、同性愛を強要したというのです。
電気ショックの後遺症でしょう、かつての美しい顔や表情を失ったエットレは裁判で、事実無根と証言しますが、裁判は一方的に進んでしまいます。
この時代、同性愛は許されない事であり、不公平な裁判が行われるという実話を元にした映画でした。
この映画の時代1960年代、今から60年程前には、
同性愛は病気だからと言われたり、若い相手であれば「そそのかした」ということで犯罪になっていました。
この映画はイタリアが舞台です。
ちょっと前ですが、
ドイツを舞台にした「大いなる自由」という映画を観ました。
第二次大戦後のドイツでは、男性の同性愛を禁じていた「刑法175条」を背景に、「愛する自由」を求めて20余年、闘い続けた男を描く物語でした。
1871年から1994年までの123年間施行されていた「刑法175条」ですが、
ナチスの時代、さらに厳罰化された刑法で、
処罰者は14万人にも及んだというのです。
2つの映画を観て、
イタリアの「蟻の王」は1960年代まで
ドイツの「大いなる自由」は1994年まで「刑法175条」が施行されていたこと
つまり、ごく、最近までこんなことがあったんだということにびっくりなんです。本当につい最近ですよね。
欧米至上主義じゃありませんが、
LGBTQなどの意識についてはヨーロッパの方が進んでいると思い込んでいたからです。
イタリアは
今は同性愛者に対する偏見や差別感情はだいぶ弱まってきたそうです。
教唆罪という名を借りて、罪として扱われなくなっているそうです。
日本でも現在多くの人たちが差別を受けたり、
反対に、感覚的に受け入れられないと思う人が多かったり、無知だったり、知ろうとしなかったり、多くの問題はあります。
少なくとも法律では裁いていませんね?
特に戦前や戦時中は、こじつけで牢屋に入れようとしたかもしれませんが・・・
映画を観て、「厳格なキリスト教文化」の背景が強く影響していることを感じました。
「シチリア・サマー」という映画が鹿児島では来年1/5から公開されるます。これも実話に基づき、1982年のシチリアで恋に落ちた少年たちが辿る衝撃的なプロセスを描いているとのこと、ぜひ観に行こうと思っています。
最後に話はちょっと逸れるかもしれませんが、
ゲイの治療と称して、「電気ショック療法」が使われていたという話に関連してなんですが・・・
私はかつて精神科の病棟実習で、「電気ショック療法」の見学をしたことがあります。とても古い建物の閉鎖病棟で、畳の大部屋に数人の看護スタッフ(主に男性のスタッフ)と中年の医師がいました。
と、話は戻します。
当初、「蟻の王」に加えて、
ミニシアターで観た「JFK/新証言 知られざる陰謀」についても述べようと思ったいました。
前回、とても長かったので、「JFK・・・」については次回にします。
ありがとうございました。