moyotanのブログ

70を前にして、ふと・・・感じていることを・・・

地元の温泉で出会うご婦人たち

⭐︎温泉♨️で会うご婦人たち

 

車で10分、200円の温泉は、

徒歩でやってくる地元の高齢者にも人気で、日常的に利用されている方も多くいます。

 

10数年前は、110円で入浴できました。

 

 

股関節に問題を抱えていた頃、足の痛みの他、肩こりや腰痛もひどく、

そのケアのためとばかりに朝湯(温泉)に通い始めました。

(朝湯は温泉も綺麗だし、ホントに気持ちがいいのです)

 

足の痛みのために、最低限の家事と決め込んでいたので、

夫婦二人なのに、お風呂洗いは・・・と、

サボりたかったので、・・・夫婦で通い出しました。

 

熱めのお湯が好きな私ですし、お風呂掃除のおサボりの魅力は、大きくて・・・

130円、150円、200円と値上がりがあっても

温泉通いは続きました。

 

少し変わったのは、

その間に、股関節の手術をして、かなり動けるようになったことで、

私にとって温泉は「時折の楽しみ」という目的になってきました。

 

 

10数年間には、

お会いする高齢者の方々も変わりました。

 

当初、

何度か通うと、多くの人と話すようになりました。

大体、行く時間が同じなので、

お会いする人も同じということになり、

親しくなるのも、時間はかかりませんでした。

 

数回の温泉通いで、

背中を流し合うようになりました。

 

こちらがそろそろ身体を洗おうかな?というタイミングで

誰かしらが

私の垢すりタオルを取り上げて、

「背中を流しましょう」背中を擦り始めるんです。

 

「苦手な人だったらどうするの?」と疑問になるかもしれませんが

 

そこが不思議なんですが、

「この人は苦手」という人は近寄ってきませんでした。

 

私にとって、程よい距離感の、程よい世話焼き加減と、程よい世間話が絶妙に絡み合って、むしろ心地よかったのです。

 

洗ってもらうと

「お返し」という気持ちも生まれますが、

私が背中を流すのは5回に1回くらいだったような・・・

 

あちらは元々見返りを求めていないので、

「もう済んだよ」なんて言葉が返ってくることが多くありました。

 

 

近所の方同士は、名前も集落も知っていますが、

私のような「ちょい離れ」はあえて尋ねなければ、

ずーっと名前も住所も知らず、裸のお付き合いのままです。

 

久々に会って「どうしてた?」「元気だった?」と笑顔で喜ぶだけのお付き合いです。

 

稀に、私の手作り服を見て、洋服作りの依頼を受けたこともありましたが、

ほとんどの方とは、温泉だけのお付き合いを何年も続けています。

 

 

何年も通っていると、亡くなられた方、認知症の進行度合いなど、

時間の経過を痛感せざるを得ません。

 

 

その中で、一人、不思議な感覚を持った方がいました。

15歳くらい上のお姉さんでした。

温泉では、私を待ち構えて、背中を流しに、私の洗い場に来てくれました。

 

もしかして「ソウルメイトだったのでは?!」と

今でも思ってしまうほどで、

何も気にせずに、一緒に時間を過ごせる感覚がありました。

 

私が股関節の手術で、温泉をお休みしていた時に

脳梗塞でお亡くなりになしました。

 

 

また、こんな方もいました。

湯船の縁に長い時間腰掛けてジーッと、

否ボーッと?周囲を見ている???そんな90数歳の方です。

 

ジーッとだと意思が含まれているけど・・・

ボーッとだと虚ろな感じがありますね。

そうだな?

その方は、ジーッとボーッとの中間みたいな眼差しで、

浴場の中や人を見ていました。

 

誰彼となく、何やら話しかけることもありますが、

周囲の人はちょっと怪訝そうで

親しく話す人はありませんでした。

 

あとで、噂話を聞きました。

90歳を越えて温泉近くに一人で住んでいて、

認知症らしい、ウンチが浴槽に浮いていたりしたことがあるけど、

この人のせいだろうというのです。

 

この頃、その方は見ません。どうしたのかな?

 

 

そういえば、メンバーも変わったからですかね?今、背中の流し合いは全く無くなりました。

 

 

 

最近のことですが・・・

「清く正しく美しく」を絵に描いたような高齢のご夫人がいます。

 

私もこの方と、脱衣場でも浴場でも、とても親しい感覚でいつも話をしています。

 

そのご夫人Aさんが、洗い場でお隣のBさんとぺちゃくちゃ喋っていました。

 

そのうち、夜中の過ごし方とかトイレに行く中途覚醒とか寝つきについての話題になりました。

 

浴槽には私とBさん。

向こうの洗い場のAさんとBさんが話の続きをしていて、私も頷きながら聞いていました。

 

Bさん「眠剤を飲んでいるんだ」

 

Aさん「あら、眠剤を飲んでいるの?飲まないと眠れないの?私なんて飲まなくてもぐっすりよ。睡眠薬はやめた方がいいわよ」等を

延々と自論を宣い始めました。

 

Bさんは困った顔で私を見ています。

 

わーお!私、ここに加わりたくなーい!と心の中で叫んでいました。

 

かつて不眠気味だった私としては・・・

Bさんの眠剤を飲む気持ちがわかります。

 

80歳をゆうに超えたAさんのぐっすりの方が、

むしろ珍しいのかもなーー???と私は思いながら、

 

Bさんに「飲まないで眠れない方が辛いんですよね?」と

2人の会話に加わってしまいました。

 

Bさんは頷いていますが・・・

ただAさんに口答えしても無駄だと承知しているようで、黙っています。

 

私は少し離れた洗い場だったので、Bさんの居る浴槽を離れましたが、

Aさんの話し声は、よく聞こえてきました。

Bさんはそれでも黙っています。

Aさんは先ほどの自論を展開しているというか、繰り返しています。

Bさんは黙って、Aさんをやり過ごしているかのようでした。

 

 

この日から、ずーっと、否、たまにだけど、思い出します。

あの光景を。

 

なぜだろう?

 

Aさんは、80数年、清く正しく美しく生きてきて、確固たるものがあるんだろうな?!

 

そしてBさんは

Aさんの思いやりの名の下での攻撃を、困り顔でやり過ごしていたけど・・・私が思うほど深刻に捉えてはなかったような?・・・

 

そう、Aさんの独善的な話を苦しがっていたのは、私だったのでは????!!!と思い始めました。

 

 

 

今日の独り言は

このくらいで・・・

 

ありがとうございました。