moyotanのブログ

70を前にして、ふと・・・感じていることを・・・

漢字が表すもの

来年70歳。

 

今日も過去と今を結びつけながら

ブツブツ・・呟きたいと思います。

 

中国語では「手紙」と漢字で書くと、

それはトイレットペーパーだということ・・・

今では結構知られています。

 

 

50年前に読んだ「青春の北京」という本で、このことを私は知りました。

 

著者の西園寺一晃(かずてる)氏が

思春期から10年間を過ごした北京留学の初期のエピソードとして登場します。

漢字による筆談なら中国人のクラスメイトとコミュニケーションをとることができるというエピソードでした。

 

 

その本を読むのが先か?後か?

高校の授業で「漢文」を習い、

読み下し文や返点(かえりてん)のおかげで中国語が理解できたような気分で、

ウキウキした感覚を覚えました。

 

その頃、私は、英語が苦手科目でした。

アルファベットが並んだだけで、よくもまあ、意味がわかるもんだと英語の優等生に尊敬の眼差しを送っていました。

 

で、私も・・・頑張れば英語がわかるようになるのでは?と何十回、何百回否何千回思って、英語に挑んだことでしょう?

 

69歳にしてやっと「私には英語は無理」を悟りました。

 

 

私は小学生の頃から、歴史が大好きでした。

時代劇、特に大河ドラマが大好きでした。

 

なので、高校時代も日本史、世界史は、

ウキウキで授業に臨みました。

・・が・・・世界史の特に西洋史で躓(つまず)きました。

 

西洋史では、アルファベットが訳されたカタカナの名前・地名が並びます。

それには馴染めなかったのです。

カタカナには味がしませんでした。

 

ですが、

漢字の並んだ中国史は結構好きでした。

殷・周・春秋・戦国・秦・・・と。(私の時代は殷からでした)

 

 

なぜ、こんなことを言い始めたかというと・・・

 

前々回に紹介した垣谷美雨著「行きつ戻りつ死ぬまで思案中」の中で、

ハングルや中国語のエピソードを読んだからです。

 

 

以下、垣谷さんの文章やネットで調べた内容は主に「~のようです」と述べて、その他は私の呟きです。

 

韓国では1400年代半ば、中国からの脱却?として作られたのが

ハングル文字でした。

ベトナムはフランスの植民地になり、漢字が廃止され、ラテン文字を使うようになったようです。

 

中国では長い歴史を持つ漢字ですが、

19世紀末から20世紀にかけて、

象形文字から発展した漢字は「劣った文字」と見なされるようになり、

象形文字から表音文字に進むのは「客観的な法則」と考えられていたようです。

 

アルファベットのような表音文字は、

せいぜい数十程度覚えればよい一方、

漢字のような表語文字は、数千も覚える必要があります。

効率が悪すぎるから、

そのせいで科学の勉強などができなくなる、などと言われるようになったようです。

 

漢字の本家、中国であっても、

やがては漢字を廃止して、表音文字にしようとする企てが進行したようです。

 

建国当初の中国は、さすがにすぐさま漢字全廃とはいかないので、ひとまず漢字を簡略化して普及せしめ、

ゆくゆくは消滅させていくつもりだったとか・・・(嘘でしょ!?)

 

ということで、現在、中国では簡略化された文字と従来の漢字と2種類を使用しているわけです。

 

 

私は

小学校高学年では毎日漢字百字の宿題が課せられました。

中・高でもよく漢字テストがありましたし、受験でもよく漢字練習をした覚えがあります。

 

私にとって、漢字の練習や記憶は、

英単語の記憶より苦痛ではなく、むしろ大好きでした。

国語辞書を見るのも好きでした。

日本史の暗記もたくさん出てくる名前や事象、地名も書いて覚えました。

 

ハングルのような表音文字の環境で育ったり、

それに親和性があったなら、

英語や世界史が得意になって、

世界を飛び回っただろうか?

私の人生も変わっていたのかな?と、タラレバ妄想に浸ります。

 

日本では漢字を用いた新語が次々と生まれて、

漢字検定を受ける人も多く、

年末には「今年の漢字」も決まります。

 

明治時代には西洋の言葉を漢字に置き換えました。

「主義」「哲学」「経済」「健康」「文化」「常識」・・・など膨大な数の言葉を置き換えました。

 

びっくりしたのは、今の中国の熟語の7割が、

日本からの逆輸入だそうです。

 

中華人民共和国」の中華は中国語ですが、

「人民」や「共和国」は日本が西洋から取り入れて置き換えて作った言葉だそうです。

 

中国ではとうの昔に読まれなくなった「論語」の解説書なども

日本で出版されたものを中国語に翻訳して出版したというのですから・・・

(そうなんだ!?)

 

韓国やベトナムも史実を書いた文書は

全て漢字で書かれているから、現代人には読めないとか・・・

他の国のことながら、心配になります。

 

また元素記号も「酸素」「窒素」などと自国の言葉で置き換えた国は稀だそうです。

 

 

まあ、そのおかげで、英文にoxygenが出てきた時に辞書を引いて、暗記していたのだから、二重手間だったのかしら?

 

垣谷さんは挙げている例文ですが・・・

「あのインフルエンサーの言うことは、エビデンスがはっきりしていてクールだ。ルックスもいいしリスペクトする」

 

私としてはため息が出てしまうんですが、

 

今の子供たちや若者は

こんな例文が飛び交う中で、育つんですね。

 

私なんかが想像もつかない思考や親和性を獲得していくんだろうな?

 

と思うと不思議です。

 

と漢字についての親和性を述べてきましたが・・・

 

ペンで漢字を使って文章を書くのは、本当に大変です。

疲れます。

 

キーボードで入力するからグダグダ・・とめどなく書けている私です。

 

今日もありがとうございました。